本の幸せ

今、ちょっと面白い本を読んでいます。

痕跡本のすすめ痕跡本のすすめ
(2012/01/26)
古沢 和宏

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古本に残された書き込みや折れ、傷は、ただの汚れじゃないんですよ、という、本好き・妄想好きの気持ちを上手い具合にくすぐってくる本です。

電子書籍が当たり前のものになって随分経ちます。
わたし自身はまだ手にしてはいないのですが、特に否定的、というわけではありません。
……いや、以前は「そんなの本じゃない!」と毛嫌いしておりましたが(笑)
ちょっと読みたいなと思った時にすぐ手に入る。
自分との相性がどんなもんか図れない本を読む場合、こういう形態は非常に便利です。
それに、ハードカバーに比べれば手軽に持ち歩けるし、しおりがなくても続きがすぐ読める。
何より、読後、場所を取らない。
本好きにとって一番の命題である蔵書置き場の確保に心を砕かずに済む、というのは、大変有難いことです。
10年住んだ部屋から引越をした際、最終的に段ボール10箱弱にもなった本の山に呆然とした身としては、あれが小さなメモリに全て収まるなんて、どんなマジックよりも凄いことだと感心してしまいます。

だけど、電子書籍では絶対に読めない物語がある、ということを、この本は教えてくれます。

本には、二つの物語があるのです。
一つは、書かれている物語。これは当然。
そしてもう一つ。
これこそがデジタルでは読めない物語――その本を手にした人の物語、です。

古本に残された書き込みや、意図の分からない切り抜き痕、一緒に挟みこまれている本の内容とは全く無関係そうな紙切れ。
デジタルでは、こういうものは残せない。
いや、書き込みくらいならそのうち出来るようになるのかもしれないけれど。
でも、処分の方法が“データの削除”である限り、それを残し、更には全くの他人が意図せずそれを見つけ出すということは、やはり難しいことではないかと。

誰かの物になった瞬間から、個性を持ち始める本。
その人の居場所の一角を与えられ、その人と同じ時間を過ごし、その痕跡を標され、そして何らかの理由でその人の元を離れていく本。

二つ目の物語の真実が見つかることは、ほぼないでしょう。
けれど、かわりに一つの痕跡から幾つもの物語を想像することが出来ます。
たった一冊の本から、物語を無数に生み出せるのです。
その存在自体が、物語になる。
紙の本の魅力を再発見した思いです。


そしてもう一つ、文中に出てきた言葉に、心が打たれました。

「読み潰されるのは、本にとって幸せなこと」

デジタルでは絶対に出来ない、それは本との付き合い方を示しているように思います。

今、手元にある本は、自分の居場所を削ってまで共に居たいと思った本たちばかり。
わたしの時間を、気持ちを、豊かにしてくれた本たちばかり。
だからこそ、これからも何度でもきちんと向き合い、読み潰し、最後には幸せな生涯だったと本にも思われたい。
これから出会う本たちにも、同じように愛情を注いでいきたい。

いつか、全然知らない誰かがわたしの読んだ本を見て、どんな物語を想像してくれるのかを思いながら。



余談ですが。
友人が学生時代に見つけた痕跡本で、コーヒーのブレンドの比率が記してあるものがあったそうです。
モカと……なんだったかな。


本を読むには絶好の喫茶店。
いつの間にか常連になり、マスターとも親しく言葉を交わすようになった。
ある日、マスターが「秘密ですよ」と悪戯めいた顔をしてこっそりと教えてくれたブレンドの比率。
それを飲んだ人は、最初に目に映った人にたちどころに恋をしてまう、という、惚れ薬のようなコーヒーなのだとか。
自分でブレンドしなきゃ意味がないんですよ、とマスターが言うので、とりあえずその時読んでいた文庫本にメモをしてはみたけれど。

コーヒーのブレンドより、彼女が僕の目の前で僕のブレンドしたコーヒーを飲むって状況を作ることの方が、よっぽど難しいことなんじゃないか?

文庫本に走り書いたその比率を眺めながら、僕は自分の部屋で深い深い溜息を吐いた。


なんて物語を、想像してみたり。


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Spatial Imagination 4

お久しぶりの、ブログ更新です。
なのに舞台の話でなく、完全にわたしの趣味の延長な内容で申し訳ないです(笑)
「レ・フレールで小話」シリーズです。
四話目は『Piano Breaker』より、「宝石」、そして「宝探し」。
興味を持って下さった方は、続きよりどうぞ。


世は弥生の末ですが、今年の桜は遅いようですね。
今年はベランダに用意した素敵な椅子に座って麦酒飲みつつお花見するのを楽しみにしているのですが。



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2011をざっとまとめて

大変なご無沙汰をいたしております。
前回更新っていつ?
……え、8月!?
8月っていつよ!?←混乱中

……はっ、取り乱しました。スイマセン。

改めまして、寒中お見舞い申し上げます。

あれから舞台はちょこちょこと観に行っておりましたのですが、どうも文章綴る余裕がなくてですね……。
というわけで、去年観た舞台で印象に残ってるものと、簡単な一言感想を、思い出した順で、ざらっとあげていこうかと思います。

・セレソン『わらいのまち』
上質なニッポンのコメディ。笑ったわ〜。

・『豆之坂書店』
本好きが観ると、ニヤニヤが止まらない舞台(笑)
ちなみにわたしが一番テンション上がったのは町田康の本が出てきた時でした。

・エレ片『コントの人5』
相変わらず面白いよね、映像ネタが!
そして久し振りに観ただっつんの学ラン姿にときめいた……!!!

・『ソラオの世界』
再演。
夢の世界はより夢の世界らしく。だからこそ、現実に生きることが活きてくる。

・wat mayhem『桃天紅』
たかやん男前……!! そしてあのバカバカしさったら……!
ちくわは美味しく頂きました。

・シス・カンパニー『大人は、かく戦えり』
すごい台詞量なんだけどうるさくない、でもその雰囲気がうるさい、というのはしっかり伝わる。
演出家にも演者にも力量がないとこなせない舞台だなと思いました。

……こんなところかしら。
まだまだあった気がするんですが……。

今年も、沢山の舞台を観に行けたらと思っております、が、おそらくブログの方は相変わらずの開店休業状態になるかと……。
でも今年はその都度にきちんと何かを残したい!と発起し、せめて呟き場には顔を出していこうと思っております。
大したことは呟きませんが、消息くらいは多分知ることは出来ると思いますので、そういえばと思い出したら覗いてみてやって下さい。

@_mimochi_
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混沌の中に見える一筋の光のようなもの

さぁ8月です。

久し振りに舞台の話を。
週末、阿佐スパの『荒野に立つ』を観て参りました。

……うん、舞台の話しようと思ってこのセレクトは、明らかに間違いだった!(笑)


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CATEGORY : 舞台 |

Spatial Imagination 3

7月に入りました。
節電の夏、日本の夏。
頑張り過ぎない程度に、頑張りましょう。

さて、「レ・フレールで小話」シリーズの三回目。
今回は一つ前のアルバム、『Piano Pittoresque』より、「桜」で。
季節外れも甚だしいですね(笑)


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Spatial Imagination 2

またまたご無沙汰いたしております。
最近のわたしはすっかりレ・フレール三昧です。

先日、急に思い立って、つくばのコンサートに行ってまいりました。

東京よりもずっとお子さん連れの方が多いんですね。
わたしの席の近くにも、お父さんと二人で来たらしい女の子の姿。
テンポの良い曲やインプロの時、彼女がうずうずと動きたそうにしているのを見て、ああ、はしゃぎたいよねぇ、と微笑ましくなりました。なんだったら、そこの通路で踊ってもいいよ?って言ってあげたくなる(笑)

1部の『静かな生活』のお兄さんのソロ中、地震がありました。
劇場やホールで地震の揺れを感じたのはこれが初めてで、とてもドキンとしました。
が、舞台上の二人が落ち着いていて、また曲が静かな落ち着く曲だったので、こちらもすぐに平常心へと戻りました。

公演の最後だったか1部の最後だったか、お兄さんが「無事に弾き終えて良かったです」というようなことを仰っていて、舞台上のお二人も平常心であるように見えたけれど、やはり思うことはあったのだな、と思いました。そりゃそうですよねぇ。
無事に弾き終えられない状況になる可能性だってあるんだよなぁ、と。
お二人が全ての曲を無事に演奏出来たこと、それを聴き遂げられたことを改めて良かったと思いました。

……そういえばお兄さん、地震の時、弾きながらちらりと上を見てました。
ライト等の落下物を気にしてのことだとは思いますが、その姿がなんだかちょっと可愛くて、個人的にはそれで少し和んでリラックスした部分もなきにしも非ず……(笑)



さて、性懲りもなく小話を。
大好きな曲、『シャクナンガンピ』より。


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Spatial Imagination

ご無沙汰いたしております。

先日、レ・フレールのコンサートに行ってまいりました。
本当は両親に行って貰おうとチケットを買っていたのですが、母の都合が付かなかった為、父と二人で。

今回はニューアルバムを引っさげてのツアー。
前もって聴いていたあの曲この曲、時に踊り(心の中で)、時に涙し、そして相変わらず楽しそうなお二人に、やはりわくわくさせていただきました。
一番心躍ったのは、やはり「レ・フレール・メドレー」。最初期の頃の曲である「Ocean」が、一部とはいえ生で聴けたのは、とても嬉しかった。

ところで今回のアルバム『PIANO SPATIAL』ですが。
曲を聴くと映像が浮かぶ、というのは以前から持っていたレ・フレール感なのですが、このアルバムは更に文学的な匂いを強く感じました。
で、それを意識して過去の曲も聴いてみると、そんな思いを抱かせる曲が多々あることに今更気付いてみたり。

そんなわけで、ちょっとこんなのやってみようかしらと思い立ちました。
所謂二次創作、というものになるのでしょうか。
曲からイメージした、短いお話です。
個人的な印象を端にしたものであり、作曲された方々の意を汲んで広めよう、という意図のものではございません。
そもそも意を汲むとか、そんな大それたこと、出来ません(笑)

それでも興味をもたれた方は、続きからどうぞ。


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発想の転換

こんな記事が。

震災で天井の一部が落ちた日本科学未来館の
「たとえ落ちたとしても、大事に至らない天井」への改修という発想


「天井が崩落したのに、6月から再開しても大丈夫なのか」という質問に対する、日本科学未来館の返答に関しての記事です。

これを読んでふと頭に浮かんだのが、所謂『流れ橋』と呼ばれている橋。
氾濫に対し、橋脚のみを固定して橋桁は流されることを想定した橋。
川が大人しくなってから、橋桁を回収したり新しく作ったりして、修復することが出来る橋。

災害に立ち向かうのではなく、あえて流される。
ただし、その被害は最小限であり、復旧が可能な程度の強度は保つ。

そういう発想、昔からあったんだなぁ、と。

日本科学未来館HP・お知らせ
“新しい発想の天井に作り替え作業中です”
http://www.miraikan.jst.go.jp/info/110422166213.html
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CATEGORY : 日々 |

地震

ご無沙汰しております。

皆様、地震は大丈夫でしたでしょうか。

被災地は、日が経つに連れその被害の甚大さが顕わになっていきます。
安否すら確認出来ない状況だなんて。

今なお安否不明な方々が、一刻も早く見つかりますように。
避難生活を余儀なくされている方々が、少しでも安全に過ごせますように。
そして、亡くなられた方々のご冥福を。
心より、お祈りいたします。

震災に関して、役に立ちそうなサイトのリンクを貼っておきます。

■Twitter特設サイト(携帯電話のみ)
http://twtr.jp/earthquake

■グーグル特設サイト「Google Crisis Response」
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html



地震発生時、わたしは職場におりました。
揺れ始めは緩やか。
地震列島とも言われる日本にいれば何度も経験している程度のもので、最初「あ、またか」程度にしか思いませんでした。
が、揺れは徐々に大きくなり、しかも大きなまま中々止まらない。
ようやくこれはおかしい、と感じました。
「とうとう来たのか」と、揺れの中、呆然と思いました。

それでも、震度5弱。
震源地は、震度7。

以後、断続的に続く余震。
震災被災者の方々が余震に怯える気持ちを、今になってようやく自分のものとして理解しました。
あれは怖い。

11日は、公共交通機関がほぼ全滅。
会社に泊まり、翌日帰宅。

ドアが開けっぱなしだと警告音を小さく鳴り響かせている冷蔵庫。
大きく傾いた電気シェード。
引き出しという引き出しが全て引き出され、本棚からは本が雪崩をうち、その上にあったものは悉く落下。
ワイングラスが1つ、香立ての小皿が1つ、割れていました。

それらを片付けながら、けれどこんなの被害なんて言えない、と、つけっぱなしのテレビが次々と流す被災地の状況を見て思いました。



余震はまだまだ続いています。
昨夜は深夜に緊急地震速報が立て続けに発令され、眠るのが少々怖かったくらいでした。
関東にいる自分がこうですから、被災地の方々の心労はいかばかりかと思うと胸が痛くなります。

そして、今また福島原発周辺では新たな脅威が拡がりつつあります。



一日も早く、全ての人が心安らかに日々を過ごせるようになることを、心から願います。
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CATEGORY : 日々 |

絶対の中にある相対

今月6日からスタートした『ロールシャッハ』も、気がつけばもう北九州公演も終わり、明日からは大阪。

当初、自身では銀河劇場公演分しかチケット当たっていなかったのですが、ご好意のお陰さまをもちまして、本多で観劇することが出来ました。本当に、ありがとうございます!!

というわけで、今更のようにさらっと感想など。


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